水は特異な液体
水はその温度によって、液体、個体、気体、とその姿を変えます。常温では液体、摂氏ゼロ度を下回ると固まって個体に、そして沸騰して摂氏100度を超えると蒸発して気体 と変化していきます。水はに液体、固体、気体の状態にあるとき、他のどのような液体とも違った特質があります。
・水は凍ると体積が大きくなる・・・・・水が氷になると、他の大半の液体が凝固したら体積が小さくなるのとは逆に、体積が大きくなりま す。液体を構成する分子はいつも流動的で、その間に気体が挟まっているのが常態です。それが、その液体が固体になるときに、分子が締めつけられて、その間にある気体が外側に出され、結果密度が高くなることで体積が小さくなります。ところが、氷を構成する分子の間隔は液体である水よりもすかすかに広く、その間に気泡が多く存在しているのです。このことは、同じ体積あたりなら氷は水よりも軽くて浮かぶことからもわかります。物体の浮き沈みは、その物体が浮かぶ液体の重さと比べてどうか、という比重によります。同じ体積当たりの重さが、浸けられた液体よりも重ければ浮きませんし、軽ければプカプカ浮かびます。つまり、水に浮かぶ氷の比重は水に比べて軽い ということになります。水も氷もその構成成分に何ら変わりはなく、このことから水が氷に変わると体積が大きくなる と言えるのです。もしこの氷と水の比重での浮き沈みがなければ、南極の氷、氷山、流氷は全て海底に沈没して、その影響で海面水位が高くなって、そこに住む生き物は生き延びることが出来ないでしょう。
・水は異常な高温で沸騰する・・・・水は他の液体に比べても、摂氏100という異常なまでに高い温度で沸騰します。水を除く水素化合物の沸点は、そのほとんどが0度以下であって、同じ水素化合物である水は特異な存在です。水以外のほとんどの水素化合物は、普通常温下では気体の状態にあります。水も他の水素化合物と同様もっと低い温度で沸騰するならば、普通は私達の目には見えません。しかし一方で、高い温度で沸騰する水は多くの熱を同時に吸収します。このことから発汗作用というもので体温が適切な範囲に保たれるというメリットがあるのです。
・水の比熱は高い。・・・・・・・これも水という液体の大きな特徴です。比熱とは、例えば水1gを1度熱するのに1カロリーのエネルギーを消費するという、加熱の為のエネルギー数値です。これに比べて多くの他の液体の比熱は約0.5カロリーと水の半分ほどです。このことから、比熱の高い水は熱しやすく冷めにくいので、多量の熱を蓄積することに優れた物質だといえます。
・物質を良く溶かす水・・・・・・・水の溶解度は非常に高く、更に一つ物質を溶け込ませることでその溶解度はアップして、それ以外の物質も次から次へと溶かしていくほどです。人間の体の中でも、この溶解度が如何なく発揮されて水が重要な働きをしています。また、その土地その土地で、違った成分性質の水が存在するのは、この水の溶解力が溶かす物質が無数にあることを示しています。
以上のように、数ある液体の中でも水の性質は独特です。私達の生命はこの独特な水の性質によって保たれているのです。
